慶應大学医学部「最速合格法マニュアル」

第1章：英語

構成

① 最速合格法（戦略・勉強法）

② 問題例＋解答＋解説（実戦形式）

それではまず、「第1章 英語」から始めます。
慶應医学部の英語は難関大の中でも
「読解速度・語彙力・正確な文構造把握」
を問う極めて高度な試験です。

以下に、最短で合格レベルに到達する
戦略＋実戦問題例＋解答・解説 をすべてまとめます👇

第1章：英語 ― 慶應医学部 最速合格法マニュアル

① 最速合格法（戦略・勉強法）

目標レベル
英検準1級〜1級上位レベル
長文：1分あたり150〜180語読解
文法・語法：正答率90%以上
英作文：自然な構文・論理的展開

🔹 ステップ1：基礎完成期（〜高2春）

目的：文法・語彙・構文の自動化
項目 / 推奨教材 / 学習ポイント
文法 / 『Next Stage』『Vintage』 / 問題演習＋構文パターン暗記
語彙 / 『英単語ターゲット1900』＋『英熟語1000』 / 毎日300語の音読復習ループ
構文 / 『英文解釈の技術100』 / 1文ずつ構造分析（S/V/O/C修飾関係）

英語の基礎力＝「文構造を一瞬で捉える力」

文法・構文書は「暗記」ではなく「瞬時認識」の訓練に使う。

🔹 ステップ2：実戦演習期（高2夏〜高3春）

目的：慶應医学部型の長文・英作文に慣れる
分野 / 推奨教材 / ポイント
長文 / 『やっておきたい英語長文700・1000』,『ポラリス3 英語長文』 / 要旨・論理構造（but, however, therefore）を追う
英作文 / 『ドラゴン・イングリッシュ』,『英作文ハイパートレーニング』 / 日本語→英語変換を避け、英語で考える癖
読解スピード / 『速読英単語 上級編』 / 音読＋リスニング同時活用

演習時は「時間計測＋設問根拠の明示」が絶対条件。
→ どの文・段落が答えの根拠なのか、常に明確にする。

🔹 ステップ3：最終完成期（高3夏〜直前）

目的：過去問で出題傾向を完全分析＋英作文の完成度UP
項目 / 具体的訓練 / チェックポイント
過去問分析 / 過去問10年を3周（時間計測＋復習） / 出題分野（医療・科学・倫理）を把握
要約・記述 / 慶應特有の「論理的要約」訓練 / 主張と根拠を1文ずつ再構成する
英作文 / 医学テーマ中心（例：ethics, genetics） / 導入→主張→理由→結論の4文構成

直前期の黄金ルール

• 1日1長文（過去問or同難度）＋1英作文
• 英文構造の「再構成トレーニング」を継続（SVOの主語・述語を入れ替え確認）

② 実戦問題＋解答・解説

問題例（慶應医学部レベル）
[問題]

Read the following passage and answer the question below.

Passage

In recent years, advances in genetic engineering have made it possible to modify the DNA of plants and animals.
While supporters argue that such technologies can solve food shortages and improve human health, critics warn that altering the natural genetic makeup could lead to unforeseen ecological consequences.
The real challenge lies not in the technology itself but in determining the ethical boundaries within which it should be used.

Question:
What does the author suggest is the main issue concerning genetic engineering?

[解答]

👉 Answer:
The author suggests that the main issue is not the technology itself but the need to define ethical limits for its use.

[解説]
主題文構造：
“The real challenge lies not in A but in B.”
→ A: the technology itself（技術そのもの）
→ B: determining ethical boundaries（倫理的限界の設定）

設問の焦点：「main issue（主要な問題）」
→ “the real challenge” と言い換え関係。
→ したがって本文中の “not in the technology itself but in …” が直接の答え。

慶應型の要約ポイント
→「AではなくB」型の対比構文に着目。
これを見抜けるかどうかで合否が分かれる。

💬 英作文問題例

Question:
Write a short essay (about 100 words) on the following topic:

“Should genetic modification be allowed in humans?”

【Model Answer】

While genetic modification has the potential to cure hereditary diseases, it also raises serious ethical concerns.
If scientists begin to alter human genes for non-medical reasons, such as intelligence or appearance, inequality could worsen.
Therefore, genetic modification should be limited strictly to medical purposes under international supervision.

【構成ポイント】

1. 導入：利点提示（医療的利益）
2. 展開：リスク提示（倫理的不平等）
3. 結論：制限付き容認（医学目的限定）

→ 明確な三段論法が高評価の決め手。

【第2章：化学】

― 慶應大学医学部 最速合格法マニュアル

① 最速合格法（戦略・勉強法）

目標レベル
共通テスト満点を前提とした上で、

1. 慶應医学部レベルの「思考型・融合型問題」に対応できること。
2. 公式や知識暗記ではなく、反応原理と物質間関係を“考えて導く”力。

🔹 出題傾向（過去10年分析）

分野 / 出題頻度 / 特徴
理論化学 / ★★★★★ / 電離平衡、熱化学、酸化還元、電池、化学平衡の融合出題が多い
無機化学 / ★★★★☆ / 系統表理解＋反応式記述力を問う
有機化学 / ★★★★★ / 医薬・生体関連物質（アミノ酸、糖類、脂質、芳香族）中心
実験考察 / ★★★★☆ / 「結果から条件を推定」する問題が多い

結論：慶應医化学＝知識×原理×論理説明力の総合戦

🔹 ステップ別最速合格法

ステップ1：基礎完成（〜高2春）

目的：理論・無機・有機の全体像を「理解で」つなぐ
項目 / 推奨教材 / ポイント
理論化学 / 『セミナー化学』『リードLightノート』 / 公式暗記よりも現象理解を重視
無機化学 / 『化学の新研究』（要点抜粋） / 系統表を“反応パターン”として覚える
有機化学 / 『有機化学講義ノート（駿台）』 / 官能基ごとの反応機構を矢印で説明

最重要習慣

反応式を「暗記」ではなく「電子の動き（矢印機構）」で説明できるようにする。

ステップ2：実戦演習（高2夏〜高3春）

目的：融合問題・実験考察への対応力を養う
分野 / 推奨教材 / 学習ポイント
理論＋実験 / 『重要問題集』『化学標準問題精講』 / 理論問題をすべて“原因→結果”で説明
有機 / 『鎌田の有機化学ゼロから）』『新演習』 / 官能基→生成物の思考パターンを確立
記述 / 『河合塾慶應医化学特講資料』 / 現象説明を100字以内でまとめる練習

慶應医の特徴

→「なぜその結果になるのか」を言葉で説明できるかどうか。
→ 数値計算よりも「反応原理の理解＋応用力」が問われる。

ステップ3：最終完成（高3夏〜直前）

目的：過去問10年分を完全制覇し、融合問題を自在に処理
項目 / 学習法 / チェックポイント
過去問 / 3周（①解く②根拠分析③自作まとめノート） / 「出題形式・反応分野・説明型」をタグ分類
知識整理 / 「慶應医化学ノート」（自作） / 反応機構図＋出題年＋キーワードを整理
模試対策 / 駿台全国・河合記述・医進模試 / 出題傾向の再確認・弱点抽出

最終チェック項目

1. 酸化還元・電池・電解の仕組みを説明できる
2. 有機官能基反応を反応機構で語れる
3. 化学平衡と熱化学を融合的に扱える

慶應医では「色の変化・反応式・理由」の3点をセットで説明させる問題が頻出。

まとめ：慶應医化学の最速合格メソッド

フェーズ / 学習法 / 到達目標
基礎期 / 原理理解・反応機構重視 / 暗記不要で説明できる力
実戦期 / 融合・考察問題の訓練 / 原因と結果を自力で説明
直前期 / 過去問10年分析＋記述特訓 / 「なぜ？」に答えられる化学力

キーワード：
“化学は覚えるものではなく、説明できる学問。”
この視点で取り組むと、慶應医レベルでも短期間で合格圏に届きます。

【第3章：生物】

― 慶應大学医学部 最速合格法マニュアル（完全版）

① 最速合格法（戦略・勉強法）

目標レベル
共通テスト：満点前提
慶應医レベル：東大理科＋医学部上位校と同難度
要求される力：
現象を「定義」ではなく「仕組み」で説明できる
実験結果の意味を論理的に考察できる
図・表・グラフを文章化して論述できる

🔹 出題傾向（過去10年分析）

分野 / 出題頻度 / 特徴
細胞・代謝 / ★★★★☆ / ミトコンドリア・呼吸・酵素反応の反応経路理解
遺伝・分子生物 / ★★★★★ / 遺伝子発現調節・DNA操作・RNA実験解析が中心
生理・発生 / ★★★★☆ / ホルモン・神経伝達・初期発生・誘導の考察問題
生態・進化 / ★★★☆☆ / 統計処理やグラフ読解型問題が多い
実験考察 / ★★★★★ / 「データ解釈＋仮説検証＋結論」を求める本格論述

🔹 分野別 最速学習メソッド（A）

【1】細胞・代謝分野

学習内容 / 推奨教材 / ポイント
細胞構造 / 『生物基礎図録』『田部の生物基礎講義』 / 電子顕微鏡像の判別訓練
代謝 / 『生物重要問題集』『大森徹の最強講義』 / 光合成・呼吸経路を図で再構成
酵素反応 / 『リードα 生物』 / Vmax・Km・阻害様式をグラフで説明

コツ：
→ 化学式を暗記ではなく「エネルギーの流れ」で理解（ATP生成→電子伝達→酸素消費）。

【2】遺伝・分子生物分野

学習内容 / 推奨教材 / ポイント
DNA構造・複製 / 『田部の生物』 / リーディング・ラギング鎖の違いを説明できる
転写・翻訳 / 『実戦生物講義ノート』 / RNA合成→翻訳→ポリペプチド生成を1枚に図示
遺伝子発現 / 『生物標準問題精講』 / オペロン構造と転写調節を模式図で説明
遺伝解析 / 『遺伝の完全攻略（駿台）』 / 優性・連鎖・組換え値→統計処理を使う

慶應医の特徴

→「遺伝子操作実験＋結果分析＋仮説検証」をセットで出す。
→ 結果グラフから“転写活性の変化”を説明させる問題が頻出。

【3】生理・発生分野

学習内容 / 推奨教材 / ポイント
ホルモン / 『生物基礎精選問題集』 / フィードバック制御を模式図で説明
神経・筋収縮 / 『生物標準問題精講』 / Na⁺チャネル・活動電位の時間変化を図示
発生 / 『田部の発生生物学』 / 誘導・ホメオボックス遺伝子・胚葉誘導を理解

発生の極意

→「どの細胞が」「どの信号分子を受けて」「何に分化するか」を因果でつなぐ。

【4】生態・進化分野

学習内容 / 推奨教材 / ポイント
生態系 / 『生物図録』 / 生産者→消費者→分解者→物質循環の模式図
個体群 / 『重要問題集』 / ロジスティック曲線・個体群成長率を数式で扱う
進化 / 『実戦講義ノート』 / 適応放散・隔離・自然選択を実験例で説明

慶應医では、
「環境変化→個体群変動→遺伝的多様性」などの
定量的考察を問う。

🔹 実験考察・記述対策（B）

記述の基本構成（慶應医型）

【観察】→【仮説】→【検証実験】→【結果】→【考察・結論】

例：
「温度上昇によって酵素活性が低下した理由を説明せよ」
→「高温により酵素の立体構造が変化し、活性部位が基質に適合しなくなったため」
→ 「なぜ？」に1回で答えず、「どのように→なぜ」と2段階で説明するのが満点のコツ。

② 実戦問題＋解答・解説

問題1（分子生物：転写調節）

【問題】
大腸菌のラクトースオペロン（lacオペロン）について次の設問に答えよ。

(1) グルコースが存在し、ラクトースが存在しないとき、転写はどのように制御されるか。
(2) グルコースがなく、ラクトースが存在するときはどうか。

【解答】
(1) リプレッサーがオペレーターに結合し、転写が抑制される。
(2) リプレッサーがラクトースと結合して不活化し、さらにcAMP-CAP複合体がプロモーターに結合して転写が促進される。

【解説】

• lacオペロンは**負の制御（リプレッサー）＋正の制御（cAMP-CAP）**の二重制御。
• グルコース有 → cAMP低下 → CAP活性低下 → 転写抑制
• ラクトース有 → リプレッサー不活性化 → 転写促進

👉 二つの条件を掛け合わせて判断するのが慶應医の典型。

問題2（生理：神経伝達）

【問題】
活動電位の伝導におけるNa⁺チャネルとK⁺チャネルの働きを説明せよ。

【解答】
刺激によりNa⁺チャネルが開き、Na⁺が細胞内に流入して脱分極が起こる。
続いてK⁺チャネルが開いてK⁺が外に流出し、再分極が生じて膜電位が元に戻る。

【解説】
Na⁺流入 → 膜内が正電位（+）
K⁺流出 → 負電位へ回復
→ このイオン流動の順序＋役割説明を論理的に述べると満点。

📌 慶應医では「どのチャネルがいつ開くか」まで明記が求められる。

問題3（発生：誘導）

【問題】
両生類の初期発生において、「原口背唇部移植実験」が示したことを説明せよ。

【解答】
原口背唇部を他の胚に移植すると、移植部位から二次的な胚軸が形成されることが示された。
このことから、原口背唇部は周囲の細胞の運命を変化させる誘導作用をもつ「オーガナイザー」であることが明らかになった。

【解説】
シュペーマンとマンゴルドの実験。
「誘導」とは一部の組織が他の組織の分化を決定させる現象。

慶應医では「現象の意味→作用の種類→結論」の3文構成を評価。

問題4（生態・統計）

【問題】
ある湖において、植物プランクトン量（生産者）と魚類個体数（消費者）を測定したところ、
生産者が減少すると魚類も遅れて減少した。この関係をどのように説明できるか。

【解答】
植物プランクトンの減少により、食物連鎖のエネルギー供給が低下し、魚類の栄養源が減少したため個体数が減った。
このような現象は時間遅れを伴う捕食—被食関係による個体群変動として説明できる。

【解説】
生産者減 → 消費者減（時間差あり）＝「ロトカ＝ヴォルテラ型関係」

慶應医では、
グラフの傾き・時間差から
関係性を読み取る思考力が問われる。

まとめ：慶應医生物 最速合格メソッド

段階 / 戦略 / 到達目標
基礎期 / 各分野を図解で整理 / 原理・流れを説明できる
実戦期 / 実験問題中心に演習 / 因果・仮説・データ解釈を強化
直前期 / 過去問10年分析＋記述練習 / 「説明力＋分析力」で満点圏内

合格の鍵フレーズ

• 「覚える」から「説明する」へ。
• 「結論」ではなく「理由」を語る。