ChatGptを自分専用の家庭教師にする正しいやり方
過去問題集や参考書を、スキャナーでPDF,OCRに変換して
更に、読み上げソフトで音声化することは
既述のとおりですが、
ChatGptとのやり取りをしながら
まるで家庭教師のように、
正解へ導く手伝いをさせることは
一人で孤軍奮闘して過去問に取り組み
参考書をひっくり返す無駄な時間の削減になり
また、瞬間、瞬間で、
自分が聞きたい時に、即、やり取りが出来る事で
自分の理解力も一気に向上します
ChatGPT有料版(GPT-5など)を
家庭教師の代わりとして使うことは「
十分に可能」です。
ただし、完全な「代替」ではなく、
人間の家庭教師とは役割が少し違う、
という点を理解して使うと最も効果的です。
1️⃣ ChatGPT有料版が「家庭教師の代わりになる」理由
理由①:質問への即応力
- わからない問題をすぐ聞ける(24時間対応)
- 「なぜそうなるのか」「他の考え方は?」など、解法の背景説明が丁寧にできる
- 問題のレベルを指定できる(例:「共通テストレベル」「慶應経済レベルで」など)
理由②:教材を自動でカスタマイズ
- 苦手分野(例:英語長文の構文解析・現代文要約・数ⅠAの図形)だけをピンポイントで出題可能
- 自分専用の「弱点克服プリント」「復習計画」も自動生成
理由③:膨大な知識の整理力
- 過去問の傾向分析、
志望校別の出題形式、
合格者の戦略
なども参照できる
- ノート整理や要点まとめを自動化
(特にNotionやGoogle Docsと組み合わせると強力)
2️⃣ 一方で「人間家庭教師と違う点」
項目
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ChatGPT有料版
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人間の家庭教師
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質問対応速度
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即答(24時間)
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限定的(週数回など)
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指導の感情的サポート
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弱い(共感は可能)
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強い(励まし・モチベ維持)
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教材カスタム
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自動・柔軟
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手動・個別対応
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実際の学習監督
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難しい(自己管理が必要)
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可能(ペース管理・指導)
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費用
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月3,000円程度
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月2〜6万円が多い
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つまり、
「知識指導・教材作成・復習サポート」はChatGPTが圧勝、
「モチベ管理・勉強習慣づけ」は人間家庭教師が優位です。
3️⃣ 一番おすすめの使い方(ハイブリッド型)
「ChatGPT家庭教師+自分管理ツール」の組み合わせ
例:
- ChatGPT有料版(GPT-5)
→ 問題解説・ノート整理・計画作成
- AI Voice(音声読み上げ)
→ 復習・暗記学習
- Notion/Google Docs
→ 学習記録・理解ノートの蓄積
- タイマーアプリ(Pomofocusなど)
→ 集中15分学習(スタディハッカー法にも通じます)
4️⃣ まとめ:結論
評価項目
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ChatGPT有料版の実力
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問題の質問・解説
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★★★★★
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弱点克服の提案
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★★★★☆
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計画立て・進捗管理
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★★★★☆
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モチベーション維持
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★★☆☆☆(工夫で補える)
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コスパ(費用対効果)
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★★★★★
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➡️ 「家庭教師代わり+自習管理ツール」としては最強クラスです。
特に受験生が「自律的に勉強できるタイプ」なら、
月3,000円でプロ講師級の学習支援が可能になります。
目指しているのは
「答えを教えてもらう」ことではなく
“正解へ到達するための道筋(思考の枠組み)を学ぶ”
ことですね。
そのために使うべき「問い方(プロンプト)」を、
科目別・目的別・状況別に具体的で再利用しやすいテンプレートとして大量に用意します。
これをそのままコピーしてChatGPT(有料版でも無料版でも)に投げれば、
すぐに“考えさせる・導く”解き方サポートが得られます。
用途に応じて
文末の → 回答形式 指示は
ChatGPTに必ず守らせるようにしてください
(例:「解答はすぐ出さないで、ヒント2段階→最後に要点まとめで」など)。
1. 基本方針(最初に入れておく指示文)
これをプロンプトの冒頭に付けると、
- AIが「答えを出す」のではなく
- 「導く」よう振る舞います。
- 必ず最初に入れてください。
まず答案(最終解答)は
出さないでください。
私は自分で考える練習をしたいので、次の手順で進めてください:
① まず問題の要点を分解して所要知識と小ステップに分ける。
② 最初のヒントだけを与える。私が「次のヒント」と言ったら次を出す。
③ ヒントは「誘導質問(Socratic)」形式にして、私が能動的に考えられるようにする。
④ 最後に(私が要求した場合のみ)正解への道筋の要点をまとめる。
理解したら「了解しました」とだけ返答してください。
2. 汎用ヒント/誘導型テンプレート
問題の種類や難易度を問わず使える汎用テンプレート。
A. 「まずは要点分解をしてほしい」パターン
(上の基本方針を先頭に入れる)
次の問題文を読んで、
正解に必要な知識要素(キー概念)を3つと、
解くための小ステップ(最大5つ)に分解して示してください。
ここでは答えは示さないでください。
B. 「段階的ヒント(ワンステップずつ)」パターン
(基本方針)
問題:____(問題文)____
ヒント1だけください(誘導質問形式)。
私が「次」と言ったらヒント2を出してください。
答えは最後まで出さないでください。
C. 「誤り予防ヒント」パターン
(基本方針)
問題:____
この問題で,よくある誤り・落とし穴(3点)を挙げ、
それぞれを避けるためのチェック方法を教えてください。
答えは言わないでください。
3. 科目別テンプレート(使い分け)
A. 数学(定理の適用やアプローチを学びたいとき)
「方針だけ」:
(基本方針)
問題:____
解法の方針(どの定理を使うか、どんな変形が有効か)を
箇条書きで3つ提示してください。
計算や答えは示さないでください。
C. 「途中まで解かせたい」:
(基本方針)
問題:____
まず最初の一行の立式(式の立て方・初期変形)だけ教えてください。
次を知りたい時に「続けて」と言います。
D. 「複数アプローチ」:
(基本方針)
問題:____
この問題を少なくとも2通りのアプローチ(例:座標解法と幾何的考察)で解く方針を示してください。
最後にそれぞれの長所・短所を1行で。
物理(設定・近似・方程式の立て方)
(基本方針)
問題:____
物理モデルを作るときに仮定すべき点(3つ)と、
方程式の立て方(主要な力・エネルギー項)を教えてください。
計算結果は最後に出さないでください。
E. 化学(反応機構・計算の手順)
(基本方針)
問題:____
反応機構の鍵となる過程(電子移動・酸化数の変化など)を箇条書きで示し、
計算問題なら必要な式と変数を教えてください。
答えは言わないでください。
F. 英語(読解・作文)
読解で「解法の枠」を学ぶ:
(基本方針)
英文:____
まず、この一段落の主旨(topic sentence)を
日本語で1文にまとめるヒントを出してください
(直接の訳ではなく要点)。
答えは出さないでください。
G. 作文で「段落設計を教えて」:
(基本方針)
テーマ:____
1段落(導入)で言うべきポイントを箇条書きで3つと、
各ポイントで使える具体例の案を2つずつ出してください。
全文を書くのは求めません。
H. 現代文(設問解釈/論点把握)
(基本方針)
論説文:____
筆者が主張している
中心論点(1文)と、
その根拠(要点3つ)を示してください。
答えは出しません。
読解の際の“着眼点”を教えてください。
4. 「Socratic(問答)式」テンプレート — 考えさせるための質問列
AI自身に「あなたに質問をして私が答える形式」を指示するテンプレート。
自分で考える練習に強力です。
(基本方針)
私はこれから問題を解きます。
あなたは私に誘導質問を連続で投げてください。
質問は短く、私が答えて次に進めるようにしてください。
最終的に、私が正答に到達するまで、合計で最大10問まで出してください。
答えは示さないでください。
準備OKなら「始めます」とだけ返してください。
使い方例(数学):
AI:「式を立てる際、どの量を未知数に設定しますか?」
自分:「x(〜)」
AI:「次に、その未知数に関する保存則(質量保存/エネルギー保存など)は何ですか?」
5. 「部分解答だけ出す」テンプレート(自己チェック用)
途中まで自分で解いて、AIに途中の正しさをチェックしてもらう場合。
(基本方針)
問題:____
私はここまで解きました:____(途中式や説明を貼る)
この途中までの考え方の誤りがあれば指摘し、
正しい方向へ進むための次の一手(短いヒント)をください。
最終解答は示さないでください。
6. 「よくある間違い」を引き出すテンプレート
試験対策では重要。
落とし穴を予め把握できます。
(基本方針)
問題:____
この問題で受験生が最もやりがちなミスを5つ挙げ、
それぞれを避けるためのチェック手順(短い)を書いてください。
答えは伏せてください。
7. 演習問題を作らせるテンプレート(類題反復用)
自分で解くための類題をAIに作らせる場合。
(基本方針)
- 次のテーマ(または過去問)に基づいて[ 類題を5問 ]作成してください。
- 難易度は(易/標準/難)のいずれかを指定。
- 各問に「解法のヒント(1行)」だけ付けてください。
- 本問の解答は不要。
8. 「説明スタイル」を指定するテンプレート
AIに説明のトーンや深さを指定して、あなたに合った指導をしてもらう。
(基本方針)
説明スタイルは以下のどれかで答えてください:
A)高校生向け・直感的(図や比喩中心)
B)大学入試向け・形式的(定義→定理→例)
C)超詳解(式変形すべて記載)
私はBでお願いします。
まずは方針だけ(答えは出さないで)。
9. 「段階的フィードバック」テンプレート(模擬家庭教師)
長期指導を想定して、学習履歴を踏まえて次の課題を出してもらう方式。
(基本方針)
過去の学習履歴(要約)を渡します。
履歴:____(例:先週は微分方程式の基礎を学んだ・3問中2問正解)
この履歴を踏まえて、次に取り組むべき[ 重点分野(3つ)] と、
来週の学習プラン(1日15分×5日)を提示してください。
答えは出さないでください。
10. 「確認クエスチョン」テンプレート(学習確認用)
自分が理解できているか確かめるためのショートチェックを作る。
(基本方針)
次の要点(例:定義A, 定理B, 公式C)について、
[ 短い設問3問 ] (4択/穴埋め/短答)を作ってください。
解答は別に求める場合のみ表示してください
(今は表示しないで)。
11. 実例:英語長文(実際に使えるプロンプト)
(基本方針)
英文を貼ります。
まずは段落ごとに「主旨を一文で」出してください(日本語)。
次に、その段落で重要な接続詞・転換表現を3つ列挙し、
それが解釈にどう影響するかを短く説明してください。
答えは出さないでください。
12. 実例:数学(微分方程式・例)
(基本方針)
問題:y' + p(x)y = q(x) の一般解の求め方を思い出したいです。
まずは「この種の方程式を解くときの手順」を箇条書きで示し、
最初のステップだけヒントとして出してください
(計算はしない)。
13. テンプレート活用のコツ(運用ルール)
- 必ず 「基本方針」を先頭に入れる — AIが「答えを即提示」するのを防ぐ。
- 「ヒントは1つずつ」ルール — 自分が「次」と言ったら追加ヒントを出してもらう。
- 言い換え・推敲を使う — 「もっと直感的に」「式を一段省略して」など指定して調整。
- 自分の回答も都度出す — AIの誘導に答えることで思考力が伸びる。
- 学習ログを残す — Notionに「問題文+AIが出したヒント+自分の回答」を記録。後で振り返ると効果倍増。
14. すぐ使える短いテンプレ集(コピペOK)
要点分解:
まず答えを出さないで、必要な知識要素を3つに分けてください。
一歩ずつ誘導:
ヒント1だけください。私が「続けて」と言ったら次をお願いします。
ミス防止:
よくある誤りを3つと、そのチェック方法を教えてください。
複数解法:
この問題の異なる解法を2つ挙げ、それぞれのメリットを1行で。
類題作成:
同じタイプの類題を3問作り、各問にヒント1つだけつけてください。
【A. 大学・学部別にカスタマイズする場合】
目的
出題傾向・出題者の意図・設問構造に合わせて、
「質問の精度」と「解法の方向性」を高める。
💡例(慶應経済・商・法など)
慶應経済向け
「この設問は、経済理論と実社会を結びつけて考えさせる意図がありますか?
グラフや数式の裏にある“経済的意味”を説明してください。」
慶應法向け
「この問題は、法的思考力や論理的整合性を問うタイプですか?
判例や条文のどの考え方と関連づけると理解が深まりますか?」
慶應商向け
「この設問は、経営理論やマーケティングの応用を問う意図がありますか?
企業事例を交えて考えると理解が進みますか?」
効果
- 出題意図の“芯”に迫る質問ができる
- 模範解答を超えて「なぜこの思考に至るのか」が明確になる
- 過去問演習時の“フィードバック精度”が向上する
【B. 普遍的な文言にする場合】
目的
どの科目・大学にも通用する「思考プロセス中心」の質問設計。
例
- 「この問題の本質的な狙いは何ですか?」
- 「なぜこのアプローチが有効なのですか?」
- 「他の考え方や別の視点からの解法はありますか?」
- 「もし間違えた場合、どの部分の理解不足が原因になりますか?」
- 「同じテーマでより難しい問題に発展させると、どんな形式になりますか?」
効果
- 汎用性が高く、すべての科目・大学に適用できる
- ChatGPTの解答精度を最大化できる
- 自己学習・自問自答に最適(AI家庭教師との相性が非常に良い)
【おすすめ運用法】
タイプ
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使う場面
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メリット
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A. 大学・学部別
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過去問分析・記述答案練習時
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出題傾向との一致率が高い
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B. 普遍型
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日常学習・復習・AI家庭教師利用時
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どの科目にも対応・安定的に使える
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- 慶應大学経済学部の「出題意図を読む」AI質問テンプレートと、
- どの大学・どの科目にも使える「普遍型AI質問テンプレート」を、
“家庭教師のようにChatGPTを使う” ための形で、たっぷり整理しました👇
【慶應義塾大学 経済学部】向け
出題意図・思考力・記述力を引き出すAI質問テンプレート
Ⅰ. 出題意図を読む質問
- 「この問題は、単なる知識確認ですか?それとも経済理論の応用を試していますか?」
- 「出題者はどんな“思考プロセス”を期待していると思いますか?」
- 「この設問の背景にある“社会的・経済的文脈”は何ですか?」
- 「この問題で、受験生に“どんな判断力”を見たいと考えていると思いますか?」
- 「この設問の“難易度の核心”は、どこにありますか?」
Ⅱ. 理論・データ分析の理解を深める質問
- 「このグラフ(または数式)は、何を表していますか?
- 数値ではなく“経済的な意味”で説明してください。」
- 「この数式変形の背後にある“理論的な考え方”を教えてください。」
- 「この関数の形(線形・非線形)は、現実の経済現象のどの部分を反映していますか?」
- 「需要と供給の交点が移動する理由を、“制度”や“心理的要因”まで踏み込んで説明できますか?」
- 「データがこの傾向を示すのはなぜですか?モデル以外の要因も考えられますか?」
Ⅲ. 論述問題・記述式問題に強くなる質問
- 「この設問に対して、どんな論理構成で答えるのが最も説得力がありますか?」
- 「この問題の結論を先に述べる場合、どんな流れで説明すれば自然ですか?」
- 「反論や別解を想定すると、どんな主張があり得ますか?」
- 「このテーマを実際の経済事例に結びつけると、どう説明できますか?」
- 「自分の答案を客観的に採点するとしたら、何点で、どの部分を改善しますか?」
Ⅳ. 思考力・応用力を鍛える質問
- 「この理論を現代日本の経済に適用すると、どんな問題点が生じますか?」
- 「この問いを“逆に考える”と、どんな洞察が得られますか?」
- 「同じテーマで、もっと発展的な出題を作るとしたら、どんな形になりますか?」
- 「他学部(商・法・総合政策)では、このテーマをどう扱うと思いますか?」
- 「この問題の“隠された前提”を見抜くには、どんな視点が必要ですか?」
Ⅴ. 弱点克服のための自己分析質問
- 「自分が間違えたのは、“知識不足”なのか“論理構成”なのかを区別できますか?」
- 「どの段階で理解が止まりましたか?そこをChatGPTに説明してもらうとしたら?」
- 「同じテーマの易しい問題を作ってもらえますか?そこから再確認したいです。」
- 「過去問と比べて、今回の問題の“難しさの質”はどこが違いますか?」
- 「理解したつもりの理論を、日常の経済ニュースに置き換えて説明できますか?」
【普遍型(どの大学・科目にも使える)】
“正解よりも思考”を引き出すAI質問テンプレート
Ⅰ. 出題の狙いを掴む質問
- 「この問題の核心・狙いは何ですか?」
- 「この問題を通して、出題者は何を考えさせたいのでしょうか?」
- 「この問題が“良問”である理由は何だと思いますか?」
- 「この設問の“問い方”に、どんな意図が隠されていますか?」
- 「なぜこのテーマを出題したのだと思いますか?」
Ⅱ. 思考の流れを整理する質問
- 「この問題を解くための“ステップ”を順に教えてください。」
- 「解法の選択肢を複数出して、それぞれのメリット・デメリットを説明してください。」
- 「途中の推論を飛ばさず、全体の筋道を丁寧に整理してください。」
- 「もしこの問題を他人に教えるなら、どんな順番で説明しますか?」
- 「結論に至るまでの“思考の流れ”を言語化してもらえますか?」
Ⅲ. 別視点・発展的な質問
- 「別の角度から考えると、この問題をどう解釈できますか?」
- 「他の科目や現実の事例と関連づけると、どう理解が深まりますか?」
- 「この設問を“発展問題”に変えるとしたら、どんな形式が考えられますか?」
- 「もしこの問題を“逆に問う”と、どんなことが分かりますか?」
Ⅳ. 弱点・理解度を深掘りする質問
- 「自分の回答が間違った場合、どの段階で誤りが起きていますか?」
- 「似た問題を解けるのに、この問題でつまずいた理由は何ですか?」
- 「このテーマを完全に理解するために、何をもう一度復習すべきですか?」
- 「ChatGPTに“理解度チェック問題”を作ってもらえますか?」
Ⅴ. 思考の拡張・応用力を鍛える質問
- 「この問題の考え方を、実社会・現代課題に応用するとどうなりますか?」
- 「この理論や法則の限界はどこにありますか?」
- 「別のモデル・別の時代なら、この結果はどう変わりますか?」
- 「このテーマを“エッセイ”や“面接”で説明するなら、どんな表現を使いますか?」
使い方のコツ
過去問を解いた直後に、上記の質問をChatGPTに入力する
→ 思考のズレや理解不足を明確化
ChatGPTに“教え手”役をさせる
→ 「あなたが家庭教師だとしたら、この間違いをどう教え直しますか?」
ChatGPTに“自分の解答を採点”させる
→ 「私の答案を20点満点で採点して、論理の甘い部分を指摘してください。」
「AIは万能の先生ではない」ですが、
“正しい質問と使い方”をすれば、
最強の家庭教師にもなる のです。
ここでは、
「AIをヒントの出し手・伴走者として使う」ことを中心に、
教科横断で 多角的・多面的・実践的に 解説します。
AIを“効果的に使う”黄金法則
― ChatGPTを真の家庭教師に変える ―
🔹Ⅰ. 学習プロセス別の使い方(Before / During / After)
Before:学習前(理解の導入段階)
目的:AIを「予習ガイド」「道案内」として使う。
- 「この単元の学ぶ目的とゴールを説明してください」
- 「この章を理解するための前提知識を3つ教えてください」
- 「この単元を1日10分で復習するスケジュールを作ってください」
- 「このテーマの“よく出るミス”や“誤解されやすい点”を教えてください」
- 「この分野をイメージで説明してください。図に例えるとどうなりますか?」
👉 狙い:
「何を学ぶのか」「なぜそれを学ぶのか」を理解した状態で学習を始める。
AIを“予習アシスタント”として活用。
During:学習中(思考・演習段階)
目的:AIを「ヒントの出し手」「思考整理役」として使う。
- 「この問題の解法の最初の一歩を教えてください」
- 「この式変形の途中で、自分の考えが止まりました。次に何をすればよいですか?」
- 「この問題を解くには、どの分野の考え方を使えばいいですか?」
- 「この選択肢のうち、どれが“明らかに違う”理由を説明してください」
- 「この文章問題を、図にして説明してもらえますか?」
- 「自分の考え方と、正解の考え方を比較して、違う点を教えてください」
狙い:
AIに“答えを出させる”のではなく、“考え方の方向”を教えてもらう。
ヒント→再挑戦→再確認というサイクルを回す。
After:学習後(復習・反省段階)
目的:AIを「理解度チェック」や「記憶定着」に使う。
- 「今学んだ内容を、私が忘れやすそうなポイントに絞って復習問題を出してください」
- 「このテーマを1分で説明する練習をしたいです。要約を聞かせてください」
- 「この理論を、現実のニュースや社会現象に例えるとどうなりますか?」
- 「今日の学習で自分がまだ弱い部分を分析してください」
- 「自分の説明を採点して、どこを直せばもっと明確になるか教えてください」
狙い:
AIを“採点官”+“再確認パートナー”にして、学びを定着させる。
🔹Ⅱ. 教科別に見るAIとの相性と使い方
教科
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AIの得意分野
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注意点
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効果的な使い方
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英語
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文法解説、英文読解の構造分析、英作文添削
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直訳に偏ることがある
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「なぜその文構造になるのか」や「文意の比較」で質問する
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数学
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解法の道筋、定理の整理、考え方の分岐
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複雑な数式計算や曖昧な図形問題は誤認可
|
「次に何を考えるべきか」「なぜその公式が使えるのか」を聞く
|
国語
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要約・文構造分析・論理展開の説明
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文脈や感情表現の解釈はやや機械的
|
「筆者の意図」「語句の機能」「段落の関係」をAIに説明させる
|
社会
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歴史の流れ、因果関係の整理、比較表の作成
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年号や細部で誤りが混じることあり
|
「原因と結果」「他国との比較」「現代との関連」で質問
|
理科
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理論や原理の説明、現象の可視化
|
計算・単位変換の間違いに注意
|
「なぜその現象が起きるのか」「どんな条件で変化するか」を聞く
|
🔹Ⅲ. 質問の仕方で変わる「AIの賢さ」
❌悪い質問(AIが曖昧になる例)
- 「この問題の答えは何ですか?」
- 「どうやって解けばいいですか?」
- 「説明してください。」
✅
良い質問(AIが深く考えるようになる例)
- 「この問題の最初のステップは何ですか?なぜそう考えるのですか?」
- 「この考え方以外の別解はありますか?」
- 「この理論を別の場面で使うと、どんな違いが出ますか?」
- 「私の考え方のどこが誤りですか?どの段階で気づくべきでしたか?」
👉
質問を“具体的に・過程中心に”すると、AIは指導力を発揮します。
🔹Ⅳ. AIと“共創”する勉強法(思考力を伸ばす)
1. 「AIに教え返す」
- 「このテーマを私が説明した内容を、先生として添削してください」
- 「私が友達に説明する想定で、どこを直せば伝わりやすくなりますか?」
- 👉 教えることで理解が深まる「アウトプット学習」になります。
2. 「AIに自分専用ドリルを作らせる」
- 「二次関数の基礎~応用をレベル順に3問ずつ作ってください」
- 「間違えた問題と似た問題をもう一度作ってください」
👉
自動反復練習 → 苦手克服が効率化。
3. 「AIにノートを整理させる」
- 「今日の学習内容を、見出し+要点+注意点でまとめてください」
- 「理解しにくかった部分を“赤シートで隠す風”に整理してください」
👉
Notion/Google Docs/OneNoteなどで即復習可能。
4. 「AIに“思考プロセス”を可視化させる」
- 「この問題の思考の流れをフローチャートにしてください」
- 「この理論を“なぜ→だから→ゆえに”の形で説明してください」
👉 思考の見える化で「論理力」「記述力」UP。
5. 「AIをメタ認知コーチにする」
- 「私はどんなタイプの間違いをしやすいですか?」
- 「今の解答手順を自己評価してみて、改善点を一緒に見つけましょう」
- 「このテーマをあと1日で完璧にするには、どんな勉強法がいいですか?」
👉 「自分を俯瞰する力」が身につく。AIを“鏡”として使う。
🔹Ⅴ. AIを使いこなすための心得(学習哲学)
- AIは「ヒント役」——考えるのは自分。
- AIに質問する前に、自分の仮説を立てる。
- AIの説明をそのまま信じず、他資料と照合する。
- 間違いをAIと一緒に分析する。
- AIを“使う”のではなく、“共に考える”。
🪶
最後に:AIを“相棒”に変える一言
「正解を教えて」ではなく、
「どう考えると正解にたどり着ける?」
——この問いかけが、AIを本物の家庭教師に変えます。
ChatGPT(AI)には
「学習者の理解度に合わせて導く力」が十分にあります。
ただし、その力を最大限に引き出すには、
質問の仕方(=プロンプト設計)が
極めて重要です。
以下で体系的に整理してお伝えします。
【1】ChatGPTができる「思考の伴走」機能
AIは単なる答え生成ではなく、
次のように「対話的思考」を支援できます。
項目
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ChatGPTにできること
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具体例
|
思考の途中確認
|
学習者の理解度を会話から推測し、次の質問を調整
|
「この公式までは理解してる?」→「ではこの条件が加わったら?」
|
誘導型指導
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直接答えを教えず、ヒントや視点を少しずつ提示
|
「与えられた式から、何が求められそう?」
|
理解レベル判定
|
回答の深さ・語彙・説明の精度で理解度を推定
|
「君の説明、途中までOK。でもここで落とし穴があるよ」
|
知識補完
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不足している理論や定義を自動的に補う
|
「これを理解するには、まず〇〇定理を思い出そう」
|
モチベーション維持
|
思考過程を褒めたり認めたりして促進
|
「今の考え方すごくいい! もう一歩、条件を変えたらどうなる?」
|
【2】科目別:AIを「考えさせる」質問パターン例
下記は「AIが深く考える質問=良い質問」例です。
単に「答えを教えて」ではなく、
思考方向・検討要素・自分の仮説を含めるのがポイントです。
【数学】
良い質問パターン
- 「この関数の極値を求めたいんだけど、まずどんな式変形から入るのが良いかな?」
- 「解答は出たけど、別解(グラフ的な考え方)でも導ける?」
- 「この積分問題、部分積分と置換積分、どちらを使うのが自然?」
- 「この定理が使えると思うけど、前提条件を満たしてるか確認してほしい」
- 「過去問のこの出題、出題者は何を問いたかったと思う?」
AIの導き方
ChatGPTは:
- 出題意図を分析し、定石と“狙い”を示す
- 生徒の思考過程を聞き取りながら、誤解箇所を pinpoint
- 「では、この条件が変わったら?」と発展問題に誘導
【英語】
良い質問パターン
- 「この英文、文構造を分解して意味を再構築してみたい。主語・述語の関係を整理してもらえる?」
- 「この選択肢問題、なぜBではなくCが正しいの?」
- 「この英文の言い換え問題、出題者は何を試してる?」
- 「模範解答を真似したいけど、語彙レベルを少し下げて同じ意味にできる?」
- 「和訳してもらったあとに、文構造の説明もお願い」
AIの導き方
ChatGPTは:
- 構文解釈・語彙のニュアンス差を説明
- 「この文法は大学入試でよく出る理由」を分析
- 「文構造を説明して」「品詞ごとに区切って」など指定に対応可能
【現代文・小論文】
良い質問パターン
- 「この設問、筆者の主張はどの段落で変化している?」
- 「この選択肢、なぜ一見正しそうで誤りなの?」
- 「筆者の論理展開を3ステップで要約して」
- 「この小論文テーマ、肯定と否定両方の立場で構成案を出して」
- 「この段落の“しかし”の役割を論理的に説明して」
AIの導き方
ChatGPTは:
- 論理構造(対比・因果・転換)を自動抽出
- 受験者が書いた文章を添削+改善理由を説明
- 「筆者の感情と論理を分けて読もう」など読解方針の指導
【日本史・世界史】
良い質問パターン
- 「明治維新の改革を、社会構造の変化の観点から整理して」
- 「この出来事の背景を3層構造で(政治・経済・思想)説明して」
- 「年号を問わず、因果関係で理解する方法を教えて」
- 「この戦争が起きた“原因”をA国・B国の立場で比較して」
AIの導き方
ChatGPTは:
- 原因・結果・影響を「縦の軸」で体系化
- 史料問題では「史料の書き手の立場」を分析
- 「出題者の狙い」を時代テーマ別に整理可能
【理科(物理・化学・生物)】
良い質問パターン
- 「この現象をエネルギー保存の視点で説明できる?」
- 「この反応の中間過程を、イオンの動きでイメージしたい」
- 「公式を使う前に、概念的に結果を予測できる?」
- 「教科書の説明だと抽象的だから、図やモデルで理解したい」
AIの導き方
ChatGPTは:
- 図解的に説明(電子の動き・波の干渉など)
- 抽象概念を直感的な比喩で補足
- 「まず直感→次に式変形」型の誘導指導が可能
【3】AIが「学習者の理解度」を見極める方法
AIは、あなたの発言から以下を自動的に判断できます:
学習者の発言AIが推定すること
- 「わかった気がする」理解が曖昧 → 例題を出して確認提案
- 「この部分だけ納得できない」部分的理解 → 局所補足
- 「なぜこうなる?」論理的疑問 → ステップ解説に切り替え
- 「これ別解もある?」上級思考 → 発展解答提示
- 「自分はこのように考えたけど…」推論力評価 → 対話型フィードバック
【4】ChatGPTを「家庭教師」化するプロンプト例
以下のように書くと、AIが“
導き型モード”に切り替わります:
- あなたは、私の家庭教師です。
- 私の理解度に合わせて、段階的に質問を出しながら、
- できるだけ私に考えさせてください。
- 間違ったらすぐに訂正せず、ヒントで導いてください。
さらに、質問内容を固定して:
- 次の問題を出します。
- まず私の考え方を聞いてください。
- 私の説明のどこが良くて、どこが曖昧か指摘して、
- そのあとに一段上のレベルの質問をしてください。
これで「
AIによる思考のコーチング」が成立します。
【5】まとめ:AIを“考える相手”に変える3原則
原則
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内容
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① 「答え」より「方向」を聞く
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例:「どんな考え方から入るのが自然?」
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② 「自分の仮説」を添えて聞く
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例:「たぶん二次関数だと思うけど、他に方法ある?」
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③ 「思考過程を共有」する
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例:「ここまでこう考えた。次の一歩がわからない」
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